最近の課外活動


かがいかつどう、とタイプしたらなぜか加害と出てきてしまった。危なすぎる。

完全にノリで始めたMIT政策フォーラムで、なぜかイベント企画を本格的にやっている。水曜にはMITのIndia Lab, China Labの創設者、黄亜生教授を招いてランチトークショーというのをやる予定なんだが、一番面倒だったのが予算内でピザ以外のランチをオーダーすること、という意外さ。頑張って折衷的にパスタに決定。タダ飯イベントは基本人気があるんだが、ピザだとやっぱり参加者のテンションがだだ下がりしてしまうので仕方ないよね。

ちなみに教授のバイオはこんな感じ。

 

黄亜生(Yasheng Huang) 1960年中国生まれ。 父親(黄鋼氏)は人民日報の国際評論員を務めた著名な記者で文筆家でもある。 1985年ハーバード大学卒業。 1987-89年ミシガン大学助教授。世界銀行顧問。 1991年ハーバード大学で博士号取得。 1997年ー2003年ハーバードビジネススクール教授。 2003年マサチューセッツ工科大学教授 主な著書に『Selling China:Foreingn Direct Investment During the Reform Era(Cambridge Modern China Series)』(中国語版は『改革时期的外国直接投资』新星出版社)など。中国問題のスペシャリストとして、CNNなどの解説員を務める。

 

でも、このファイナル前の忙しい時期に上手いことサインアップが30名近く集まったのは、インドと中国という二大成長大国の比較をマクロミクロソフト・ハードいろんな面で行うという面白い研究をしている教授だからというのもある。そもそも彼は、2003年にアクション・ラーニングの重要なLABのクリエーターでもあるし、あとカリスマ教授として評判がいいのだ。

これが前のレクチャー。中国農村部の人々のアントレ精神について熱く語る。

ちなみにイベントのチラシはこちら。ちょっと自慢してみる。

あと、今日は大中華連合の「中国語に興味がある人に餃子包みながら中国語を教えるイベント」に参加し久々にマンダリン癒しセッション。今度は家で普通に餃子パーティしたいな。

そのノリで友達のひとりが「天津なまりってどうなん?」というのを聞いてきたので以下の動画を送った。中国語を解する人には爆笑ものなのでお勧めです。

最近出会った楽しすぎるクラスメイト達② West Pointのブラッド君


約束通り、アメリカが世界に誇る超名門士官学校、West Point卒の元軍人のブラッド君の話。

ブラッド君はアメリカ中西部ミシガン州出身のステレオタイプにふさわしく、地に足ついた物腰のナイスガイで、同じOceanに属してはいたものの今まで話す機会がなかったんだが、たまたま空っぽのスタディルームで鉢あわせてつい長話をしてしまった。その流れで私が「あなたは非常に面白いのでブログにしていいか」と許可を取ったら盛大に面白がってくれたので、彼が話してくれたWest Pointとミリタリーと人生について紹介する。

そもそも、アメリカの大学は一般的には私立か州立しかない。前者の最も有名な例はハーバード、後者はUCバークレーか。国レベル、というか彼らの言語でいうと「連邦」レベルの学校というのが、Military Academyと総称される士官学校なのだ。大学の位置づけにある。全体的には。もちろん、かなり選抜は厳しく、体力的にも学力的にも抜きん出た存在でなければ入学することはできない。そして、半分くらいしか卒業もできないらしい。ここはどこの士官学校も同じだが・・・。しかも、ブラッド君が入った年は、9.11の直後で、国防意識、愛国意識絶好調。最も倍率が高い年だったという。

ではなぜ、彼はWest Pointに進学したのか。

「君と同じような反骨精神が強いキャラだったからさ」と彼は笑った。曰く、ブラッド君の家は普通よりちょっと貧しかった。そこは詳しく聞かなかったが、彼の立ち居振る舞いの整い具合からして、単純に収入があまり高くない、普通の家庭とかなんじゃないのかなと勝手に推察してみた。でも、ブラッド君は頑張り屋さんなので成績はいつもよかった。ミシガン人は地元意識が強いので、頭のいい子は地元州が全国に誇るミシガン大学にみんな憧れる(アメリカの制度的に、州内居住者の州立大学学費は大幅に割り引かれるから、という理由もある)。

しかし、彼の高校の担任教師は彼の家庭の貧しさを指して、「君ではミシガン大学に行けない。諦めたまえ」と言った。

そこが彼の反骨精神に火をつけて(「家庭環境など、自分が変えられないことを理由にノーと言われるのが嫌い」なので)、「だったらミシガン大学なんか知るか。もっといいところ行ってやる」と、彼は燃えた。

「そうなると、自然と選択肢が狭くなるからさ。笑。」

ミシガン大学は全国でも上位に入る大学だからだ。収入が低いとはいえ、彼は白人男性なので学校が出す奨学金も得にくい。Ivy Leagueとかは門が狭すぎる。

ならば、と。彼は士官学校に目をつけた。ものすごく狭き門には違いないが(10倍くらい)、在学中も陸軍士官候補生の扱いなので、学費どころか、給料が出る。いわば、マイナス学費。制服代などに消える雀の涙額らしいが、マイナスな分だけすごいと思う。

というわけで、ブラッド君はWest Pointに挑戦した。ただの大学ではなく、合格と入学は軍隊入隊をも意味するので、受験過程にアメリカの上院議員か副大統領の推薦を得なければならない。別に議員とお友達である必要はないらしく儀式的なものらしいが、入学のイニシエーション度というかハードルが半端ない。そこで見事合格しても、卒業までに半分くらいはついていけなくて退学するか放校処分になる。

例えば、かなり厳正に守られているという原則的な規律に、以下のものがある。以下を破ったら退学なのだ。

1.虚言を弄すこと、2.不正を為すこと、3.窃盗を行うこと、及び4.上記を許容することを禁ず。

つまり、例えばCadetと呼ばれる候補生(在校生)Aが試験で不正をした場合、そのルームメイトのBがそれを知っていて報告せず見逃した場合、発覚したらAは2条、Bは4条が適用されふたりとも退学になっちゃうということらしい。そして、こういうことの発生率も相当高いとか。卒業したら米国軍隊を代表して士官として相当の重責を負う役目を与えられるので、厳正な倫理観がないと務まらないからなのだとか。すごい世界である。

けれど私は茶々をいれずには居られなかった。
「ちょっと待った。試験で不正を働くとかならまだわかる。が、虚言を弄すとはどういうことだ。嘘吐いたことない人間なんかいないぞ。例えば、WestPointには女の子もいるだろ。」
ブ「いるね」
私「なんか良い感じになるじゃん」
ブ「運が良ければなるね」
私「で、軍人とはいえ女の子なので『あたし太ったかなあ?』って聞いてきたりするじゃん。そこで「たしかに2ポンドくらい行ったんじゃない?」って正直に言わないと退学になるわけ?」
ブ「いやそれは(笑)。そういうことじゃなくてですね、嘘付いたりすることで本来自分が得るべきでない利益を得たかどうかが審議対象になるのであり・・・」
私「でも、「好きな女の子にキレられることを回避」するという利益を得ているぜ」
ブ「%$#@%^*(!!!!」

とりあえず、はっきりしているのは私のこんなくだらんツッコミにも笑いながら答えてくれるナイスガイだということだ。

ところで、士官学校の性質上、女性候補生は少ないんだが、そこら辺は色々どうなっているんだろうか。
前に別のWestPoint卒の友達であるジョン氏に聞いてみたところ、「可愛くない」ときっぱりひとこと帰ってきたんだが。

話は思ったより壮絶だった。男女比はだいたい、9対1で安定している。そのうち、女子の25%はレズビアンなので相手にされない(なんかわかる気がする)。この残りの人口比にして7.5%の女子の中の見た目がちょっと綺麗めな子のモテ具合は凄まじいものがあるらしい。その原因は言わずもがな。さらにいろいろ拍車をかけている要素としては、普通理系学部には男が多いもんだが、理系研究者の群れとマッチョでテストステロンあふれるAlpha Maleの群れでは競争の仕方とアプローチの仕方が全然違うという事実。頭脳は同じでも、理系Nerd(ヲタ)と比べて「リーダーシップ」と「積極性」と「テストステロン」で選ばれし者な彼らが少数女子を取り合う様は妄想するだに結構すごい。実際、カップルで卒業し、結婚し(卒業するまでは結婚できないので卒業したらすぐ結婚が普通)、士官エリート家庭を築いていたりする者がちらほら。

ちなみに彼自身は普通にカッコイイのだが、彼女は外部で見つけたらしい(笑)。

そして私が気になったのは軍服ぽい制服のデザイン。幼い頃から人民解放軍のカーキコートに慣れ親しんでいるため、軍服ファッションにはどうしても惹かれるんだが、ブラッド君にしてみれば、

「うちの制服ダサくて着心地悪い><」

のだそうだ。

普段着はこんなウールなんだが、実にごわごわで気持ちよくないらしい。私「では、こっそり同じデザインのカシミヤを特注して制服だと偽って着たら『不正な着心地の良さを手に入れた』ってことでやっぱり怒られるんでしょうか」ブ「www怒られるけど違う理由だと思うww」

そんなナイスガイのブラッド君は、パイロットになりたかったけれど視力の関係でなれず、代わりに空軍の特殊部隊で活躍していた。けれどいろいろ迷って結局MBAに入り、テクノロジー系の会社に勤めたいと思っているんだとか。業種を問わず、きっといいボスになりそうだから、ぜひ頑張って欲しい。

今更だが、Indian Ocean約70人弱の中、彼のように元軍人さんはざっと5人もいる。West Point x 2, Naval Academy x 1, Marine x 1, Army x 1の取り合わせだ。全員が士官学校卒ではなく、大学のROTCという士官プログラムから入る者もいる。そのプログラムはDukeでも有名で、人によっては学費が全額免除になるのだ。卒業後のServiceと引換に。

ちなみにもう一人のWest Point出身のジョン氏とも仲がよく、お互いの家でディナーパーティーをやる間柄。

他でも、なんかナイスガイだなと思った人たちが、実はミリ系というパターンの出会いが最近多い。MBAに来ないと絶対出来なかったタイプの友達なので(たぶん)、むちゃくちゃ違うバックグラウンドを超えて仲良くなるのは楽しいと実感する今日この頃。

更新予定という名の更新


放っておくと忘れちゃうので、これから書くことリストをシェアします。

1)最近出会った楽しすぎるクラスメイト② アメリカの超難関士官学校、West Point卒の元空軍士官 ブラッド君について

2)授業まとめ。組織論について前から書きたかったことを吐いてみる。

3)教育論の原点について。私はなぜこれについて考えたら止まらないか考えてみた。結果、いろいろぼろぼろ出てきて非常に面白い。

というわけで、仮更新。

同性婚推奨、ビデオ二選~「応援してくれなきゃ、お前の恋人と結婚しちゃいます」


また完全なるネタ。ステートメントの賛否は置いておいて、米国のジェンダーステレオタイプを理解するのにかなり効果的なビデオ。
「ゲイのステレオタイプ拡散反対!」という人達も結構いるんだが、まああくまでネタ的な政治的ステートメントと発想の転換として。
そういえば、アトランタのミッドタウンもかなりゲイフレンドリーな地区で、よくパレードとかやっていたんだが、「結婚する権利に反対するなら、お前の娘と結婚するぞ」というプラカードも確かに見たな。

まずは男性のゲイ視点から。「僕達には愛しあう者同士で結婚する権利が欲しい。そんなものは認められないって?では、君の彼女の良き夫になるしかないな」

やばい。無駄に説得力ある。朝食に超凝ったキッシュを焼いてくれたり愚痴を際限なく聞いてくれたり一緒にネイルやってくれる旦那とかすごい楽しそう(おい)。

こちらがレズビアン版。

レズビアンの女性の友達が実は3人くらいしかいないので確認が難しいんだが、この人達カッコイイな・・・。
しかし、スポーツ大好きで買い物に時間がかからなくてストリップクラブに嬉々として連れて行ってくれる奥さんは・・・どうなんだ。

最近忙しいのを理由にネタ更新ばっかりしてるのは自覚してるんだけど、そのうち更生します・・・。

教育xテクノロジーxイノベーション(のネタ)


タイトルの3つの要素を取り入れたビジネスコンテストを企画しているんだが、企画よりも参加したほうが面白いんじゃないかという話になった。

Teach for America経験者のBen君とその件でくっちゃべっていたんだが、彼は「なんか、先生たちが使える面白いツール作れればいいね」と言っていた。

実際、MIT卒業生で、Gradeableという、「教師の試験採点プロセスを飛躍的に短くし、その分、採点結果の統計をデジタル化し、効果的授業に役立てる」みたいなアプを開発している人がいたりする。日本では代ゼミや日能研や駿台の仕事だなとか思いながら黙っていたが。

私「え、それって先生に売りつけるツール?でも、世の中の「せんせい」ってやつは、基本テクノロジーに疎いという固定観念があるんだけど」

それまで黙って聞いていた隣に座ってたBCG出身のMatt君がばあっと顔あげて、

「はあ?先生がテクノロジーに疎いの当たり前じゃん!僕のとこの小学校教師なんか、ビデオ学習に使う機械の接続がわかんなくて、僕が三年生の時に一度手伝ってあげたら、

ぜんぜん違うクラスと学年の先生から授業中に呼び出されて「ビデオ動かないの!助けて!」とか引張りだこになって、

しかも動かない理由の8割がコンセントそもそも入ってなかった、とかだったから!」

9歳の子を授業中に駆り出してコンセントを入れさせるレベルか!!!すごいぞ。

ネタ更新でいた。

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今日もネタ更新。すごいのでご覧あれ。

KIPPと日能研の8大共通点


相変わらずKIPP熱がすごい。
で、ふとなぜこのプログラムが好きなのかふと考えてみた。ら、幼少期のフラッシュバックでこんな発見が。

そう、タイトル通り、KIPPは機能的なデザインが、日能研にとても似ている。或いは似たような中学受験塾と言い換えても差し支えない。以下、8大共通点。

1. 年端もいかぬ子どもを、長時間拘束することに成功している。

KIPPは通常の公立学校の時間が7時半から2時のところを、6時半まで伸ばしてがっつり授業。日能研は、公立小学校に朝8時登校、午後3時下校した4-6年生を午後5時から夜9時まで拘束。もちろん、がっつり授業。

2. 授業中は、常に全生徒が集中し思考していることを監督し、またそうできるように工夫。

KIPPは教師が常に教室内を動きまわり、ぼおっとして聞いていない子どもが一人も居ないことにかなり神経を使っている。日能研でも、講師の努力は結構半端ない。ちょっとでも白昼夢しようものなら、すぐ指されたものだw

3. 皆が集中できるように、長い授業の中で、課題を細分化。

KIPPは「教師が3分以上しゃべり続ける」のがタブーなんだそうだ。2分喋ったら生徒に問い返す。それで得た答えをもとに次の論点に移る。なので、子どもは集中しぱなっし。日能研は、90分ヒトコマの授業で、生徒発言の量は限られているものの、問題主体の国語、算数などは「説明→例題→思考→解説」のサイクルが短い。構造上レクチャーしぱなっしになる社会・理科では、5分に一回脱線し、ムダ知識を教わっていた。今でも覚えているものがちらほら。あの頃の先生たちには超感謝している。

4. 先生のキャラ立ち度が高い。必然的に授業おもろい。

KIPPはそもそもFounderたちが相当のキャラ。今や全国にたくさん支部がある大手チャータースクールになっているけれど、幼少期から勉強の大切さなど教わっていないだろう子どもたちを12時間近く集中させないといけないわけなので、印象深いキャラを演じなければならない。日能研は・・・いろんな先生がいたが、生意気な小学4-6年生が一飲みできるレクチャースタイルを確立させて臨んでいた気がする。みんな。おとなしい人は一人も居なかった。

5. 復習重視

KIPPでは毎日長い授業時間のあとに、2時間くらいかかる宿題を出し、やってこないと翌日えらい目に遭う(といっても、先生二人がかりで問い詰められるとか、スクールトリップに行けないとかだが、子どもにとっては辛い)。自宅学習の習慣については触れられていないが(ペーパーテストの国ではないし)、復習の重要性は再三強調されている。

日能研では毎授業後、何かしらの復習問題(『栄冠への道』だ。懐かしい)をこなすことがカリキュラムに組み込まれている。別に提出は必要でないんだが、身についてないと試験スコア下がってクラス落ちするし、やる気のある子ども群のインセンティブとしてはちょうどいいのかもしれない。

6. 親との密接な連携

KIPPでは、開校時に確かひとりひとりの親を家庭訪問していた。扱いにくい子がいれば、すぐに家庭訪問して親と連携を取り、問題を解決する。入学時に、親子両者に「KIPP契約」に署名させ、親には「宿題をちゃんとやらせる」などの項目も入っていて、結構なコミットメントを引き出しているので、そういう連携がスムーズなのだ。アメリカの普通の公立小学校では、無理なモデルである。

日能研はクライアントが親なので、これも言わずもがなだが、子どもひとりひとりの成長歴をトラックして、グラフにして、定期的な面談によって家庭での認識を促していた。相談があれば、経験に基づき親身に対応してくれていた記憶がある。先生ではそこらは回らないので、教務スタッフが我々の長所短所をいろいろ把握していた。サービスといえばそれまでだが、筋の通ったサービスである。

7. 試験結果重視

KIPPはチャータースクールという、公立学校の体裁だが特殊なプログラムを自治体に許可してもらっている存在。だから、自治体から常にその存在意義を問われる。なので、というわけではないが、アメリカで毎年行われる、「各学年の生徒が学年レベルの学力を身に着けているか否か」の試験成績が普通の公立より抜きん出ているくらいの結果を出さないといけない。KIPPの成功度について、Founderはよくこの「学力テスト」が普通の公立よりどれくらい上か、という尺度で測っていた。

日能研は、言わずもがな毎週カリテという全国規模の試験があり、自分の全国での立ち位置と教室内の立ち位置を常に問われる。教室ごとにスコア平均も出るので、そこらの透明度と重視度はめちゃめちゃ高い。

8. もちろん進路重視

KIPPはそれ自体がゴールではない。みんなで楽しく学校生活、が目的ではない。そもそも、「普通の公立ではできないカリキュラムで、低所得者層の子ども達を、試験ベースで入れるいい中学に合格させられるレベルに持って行こう」というのが最初の目標だった。今では5年生だけでなく、「Collegiate」という「大学進学を目標にした高校」も開設している。そこでは、学力だけでなく、大学に入ったあと自分より恵まれたクラスメイトに囲まれた環境でもやっていけるようにと、すごく広い意味で「考える力をつける授業」をとても重視している。

日能研は言わずもがな、中学入試合格を目標にしている。長い目で見たら、私にとっては勉強の楽しさを教えてもらった気もするけど、戦略的にどうデザインしていたのかはわからない。なにしろ15年前になっちゃうので(遠い目)

つまり、語弊を畏れずいえば、KIPPはアメリカの低所得者居住区に、アメリカの他にはどこにもない、しかも無料の日能研を建てて子どもたちを学力的にも適応力的にも公立ではありえないペースで伸ばし、教育格差を是正しようとしている。あくまで機能的なデザインが似ているだけと思うなかれ、両者ともに「普通の公立には無理」という共通項が。

とまあ、睡眠時間削りながらでも今日書きたかったのはこんな発見。

神とPhD。


今日もとりあえず、ネタ更新。聖書をわざわざパラパラして(このレベルならパラパラせずともだが)、こういうネタをパッケージングする人たちの楽しい週末を想起するといつもニヤニヤする。

PhD. 取得に関する細かい常識が織り込まれているところがいいね。しかし、PhD生っていったらあれだ、大きな大学で学部生とかをいやいや教えている大きいお兄さんがまず浮かぶ。

……普通に嫌だこんなのw

Operationが難しくて面白い。あと、MBAの就活は辛くて楽しい。


Operationほど難しい授業ってあんまないんじゃなかろうか。デザイン上、壁にぶち当たって脳漿を絞りながらやっと頭の上の電球がピコーン!ってなるかならないかの世界な気がする。

実際、これと関係の深いビアゲーム(前の記事参照)でも、業界経験のあるなし、知能の高い低い、老若男女、人種宗教その他、あらゆる人間がめちゃくちゃ失敗していたように(PhDの集団の失敗度は実際ものすごかったらしい)、効率のいいオペレーションは直感的にはわかるようにできてないし、セオリーを学んでも実行に移す時に数々の不確定要素を考慮に入れないとすぐどこかで go wrong する可能性があるため、最初は苦手でも落ち込む必要はないのかもしれないが。

だからこそ、つまり明らかに学び慣れてないけれど、明らかに実世界にRelevantなことを必死で吸収する必要があるからこそ、一番楽しい科目でもあるのだが。

あと、教えているLevi教授も、長髪ポニーテールのスカした元軍人のおじさんなんだが、企業経験も結構あり、教授になってからも学生といっしょに病院オペレーションを劇的に改善したり、いろいろすごい。

Levi教授が学生とやった病院オペレーションプロジェクトの詳細はこちら。ちょっと長いので、MIT Sloan志望者の特にやる気のある方にお勧めですw (プロジェクトの部分は46分時点くらいではじまる)

今日は授業で、リスクマネジメントを扱ったんだが、Behavioral心理学にも触れられていて、非常に面白かった。
災害被害のリスクを管理する際、「どんな確率で工場が全部飛ぶレベルのハリケーンが起こるのか」を軸に行動を決めるのは意味が無い、という話になり、おもむろに心理テストをはじめる教授。

これは有名な話だが、例えば:

1) 今確実に3億円もらえるオプション
2) 10%の確率で32億円もらえるオプション

の二つのうち、期待値は後者のほうが高いのに、大抵の人は前者を選ぶ。一銭ももらえんよりは、確実な3億円。私でもそうするだろし。

けれど、

1) 今確実に3億円損するオプション
2) 10%の確率で32億円損するオプション

の二者なら、後者を選ぶ人のほうが多い。これも期待値通りではない。人は、何かを得るコンテクストではリスクを取りたがらず、失うコンテクストではやたらギャンブラーになる。

だからそもそもこの時点で「大災害の発生確率」x「そうなった時の損失額」という数字を作ってもその数字は何も意味を持たないのだ。
日本で直下型地震が発生する確率を専門家がいろいろ算出していて、次の4年のうち7割の確率で起こるというのも出ているけれど、だからといって日本脱出する人々が何人いるのか。

同じ要領で、2005年にニューオリンズを襲い大量の死者を出したハリケーン・カトリーナも、直前まで避難勧告が出まくってたにもかかわらずその場にとどまることを選んだ人々が多く、被害者数の多い原因のひとつとなったという。
これは、2つ目の心理テストと同じロジックだというのである。今から来るハリケーンが自分の命を奪う可能性を100%だとみなして生きる人間はあんまりいない。けれど、避難すれば確実に金銭的に損をする。避難して結局ハリケーン大したことなかったらいろいろ悔しい出費になる(被害者はそういう意味で悲しいことに貧しい人々が多かった)。悩んだ末「避難しない」を選んで甚大な被害を被った個人にとっても企業にとっても、「災害発生確率10%」という数字は何も意味を持たなかったのだ。その数字が正しくても正しくなくても。

じゃあ何を問えばいいのか。「災害被害」(例えば家屋や工場が倒壊するとか)という結果に至るまでに、数々の不確定要素(例えば建物の耐久性とか)があるけれど、それらを細分化してひとつひとつの確率である。

「このレベルの災害が来た場合、どう手を尽くしてもこの建物は持たない」「そして災害がこのレベルに達する要因の一つである湿度はちょっと危険値かもしれない」

この2つがわかっただけで、だいぶ心理的にギャンブルぽくない意思決定が出来るのではなかろうか。

実際はもっと深いんだが、眠気が限界に達したので、ごくごくさわりだけ。

あと、MBAの就活は会社から呼ばれるイベントが多すぎて実際辛いんだけど会社側も相当手を尽くして楽しんでもらえるように頑張っているのでExperience自体は結構楽しいという妙な感じになっている今日この頃。

また機会があったら書きます。おやすみなさい。

エラーから復活。ついでにボストン帰還。


ここ数日、データベース接続エラーというやつではご迷惑をおかけしました。

なにもしないまま謎に復活したのはよいのですが、ちょっといろいろ不安なのでミラーサイトを作ってみました。
なんのことはない、旧ブログのここです。同時に更新していくので、こっちがダウンしたらもう一方のリンクから更新していきます。

そんなこんなで楽しいThanksgiving Partyをやったり、Haasの先輩と教育論で熱く語ったりいろいろ書きたいことがあるんだけれどエラーのせいでそんな気分にもなれず。

でも、スタンフォードはやっぱり楽しい。リーダーシップの考え方などはMITと似たところもあって面白かったんだが、やはり中の人たちが若い分ぶっ飛んでいる度も高い気が、というのが軽い感想です。

さてはて、溜まった課題をやっつけよう。