Author Archives: 一晴

初著書が出版されました&近況報告

皆様、お久しぶりです。 2012年のMBA入学時くらいから本格的に書き始めたものの、もはや更新停止して廃墟と化したこのブログに、未だに500名以上の読者が定期的に通ってきているというデータが手に入り、ご挨拶しようと思いま [...]

米名門大学へ進学したいけれど情報がない高校生と白川寧々の対談 お金編

アキラ君:寧々さん!寧々さん!大変です!

寧々:どうした?血相変えて。

アキラ君:ハーバード大学のウェブサイトで学費を調べたんですけど、年間で寮費とか食費とか入れると500万以上かかることがわかりました!僕、3人兄弟の長男で、浪人すらできないのにこんなの絶対無理です!やっぱりアメリカ進学は諦めて東大に行きます!

講演のお知らせ: 第四回TOEFLアライアンス大会@大阪府(9/28-29)

TOEFL教育が今最も熱い大阪府で、明日から出来る世界基準人材の作り方を語ってきます。
ご興味の有る方は是非ご参加下さい!!

URLはこちら:http://www.toefl-ibt.jp/alliance/event_1409/index.html
(なんと日本のTOEFL公式サイト♥)

米名門大学へ進学したいけれど情報がない高校生と白川寧々の対談 試験編

私のことをご存知の方はもう聞き飽きている頃でしょうが、私は優秀な高校生の米国大学進学を大いに推奨しております。そんな私がネイティブ脳を開いていると、よく聞こえてくるのは、

「興味はすごくあるけれど、『何を知らないか知らない』状態で、どうしたらいいかわからない」

という、全国の悩める高校生の声。
確かに、帰国子女でもなく高校まで日本の現地校で学んできた学生たちは、いくら優秀でも情報が入ってこないことが珍しくない。そんな悩める高校生の一人である、横浜市の名門進学校に通うアキラ君が勇敢にも質問をぶつけてきたので、全国の情報過少に苦しむ高校生のために、【米名門大学ストレート進学 疑問丸ごと対談 試験編】を書いてみました。
「どうしていいかわかんない」
とか思っている学生や親御さん、必見です。

田村耕太郎さんとの対談記事が日経ビジネスに掲載されました♥

記事全文はこちらから。→MIT発の「ネイティブ脳」で日本人の未来を変えたい!

ほのぼの最終学期スタート・・・どころじゃない件。

お外は相変わらずドカ雪。 最終学期なんだが、微妙にまだスケジュールが確定しないとこ。そう、授業の内容を読んでみるのと実際行ってみるのではだいぶ違うのだ。 その中で、割りと面白いのが、実業家/起業家でBill Auletと [...]

近況&更新&改装?

皆様、お久しぶりでございます。旧正月、あけおめです!

この前から通算で1年近くぶりの更新になっちゃいますが、実にいろんなことがありました。
もともとは、MITで得られる素敵インプットを消化するアウトプットを出すために始めたブログで、結構いろんな方に読んでいただいて嬉しかったのですが、
教育事業に目覚めてからアウトプットだらけの日々を過ごすことになり、バランス的に、アウトプットのエネルギーは全部本業に費やされ、ここは廃墟状態に・・・。
楽しみにしていてくださっていた方々、申し訳ない。

憎しみから始まる社会起業のススメ

そう、愛からでも勇気からでも希望からでもなく。

現在取っている楽しい授業のひとつに、「社会起業のススメ」というプロジェクトベースのものがあるんだが、そこで私の米教育格差是正に営利企業のサービスモデルを持ち込みたいという案をピッチしたところ、意外と教授受けがよく、「これは有望なのでぜひ頑張ってやってみてほしい」とのこと。貧しいために(といっても明日の食事に困るような貧しさではたぶんない)かなり劣悪な学校教育環境から脱出できず、親も教育に関心があるのにオプションがない状態。劣悪な公立学校では生徒のほとんどが学年より2-3年学力で遅れを取っている状態。それも、本来の知力に関わらず。その格差を是正するためにKIPPやTFAが頑張っているけれど、明確なソリューションは提示できていない状態なのだ。

親からすれば、KIPPのようなチャータースクールは倍率が5-10倍の抽選をくぐり抜けなければ入れないし、私立は総じて年間200万円ほどするので全く払える見込みが無い。住む地域を変えるという選択肢も、貧しい都市生活者にありがちな、ギリギリの雇用状態では難しい。このまま子供を公立に入れたままにしても、最悪で卒業率が10%の高校に行かざるを得なくなり、良い教育を受け大学へ行く機会は絶望的となる。そして、所得格差が固定される。親がどんなに頑張っても、妙なプライシングと硬直した需要過多なシステムのせいで、全て徒労に終わる。

この腹立たしい状態にソリューションをとまあ、現在パートナー集めたり試行錯誤したりしているところなんだが、「カスタマーの定義とビジネスの理由が明確でいいね」とふとした拍子でクラスメイトのK氏に言われた。彼は私と違ってガチの起業経験者で、韓国エリートがアフリカビジネスマンに華麗に転身、現在進行形でナイジェリアにスタートアップ会社を持つ。K氏はというと、「事業に『社会のために』みたいなレッテルをつけたいんだが、どうも上手いこといかない。どうやら僕は発想が社会起業とか向いていないのかもしれないんだな」とぼやいていた。

「そんなことはないと思うが、とりあえず超そういうことに関心がある人と組んだら自然とその回路をビジネスに組み入れられるんじゃないのかな?」

「うん、同じ事を他のVCのやつらに何度か言われたんだけど、でも僕自身がそういう考え方を身につけたいんだよね。無理かな?」

「そうねえ」ちょっと考えて、私は気づいたのだ。「ああ、それはもしかして善意とか同情とか博愛とかの立場から出発してるからちょっと自分でもうそ臭く感じてるんじゃない?」

「そう!それなんだよ」とK氏。そこらへんぎこちないって自分でも思うんだよ」

「それは出発点がソフトすぎるからよ」私は今腑に落ちたばかりのことを口に出した。「私は例えば、教育事業を通して選択肢がない状態の親子をなんとかしたい。けれど、その出発点は決して綺麗な感情じゃない。私は、心の底からどす黒いレベルに理不尽な教員とか劣悪な教育が憎い。それこそ子供の頃からそういうのに煮え湯を飲まされたことが何度かあり、親が進学塾に入れてくれたから自由と素晴らしい中高時代が手に入ったけど、その選択肢がうちの両親になかったら、と思うと、公立の抑圧的なシステムに対する怒りや憎しみが今でもいくらでも湧いてくる。アメリカの親御さんの、この「選択肢がない」という絶望がありありと想像できる。だから、私を今駆り立てているのは自己犠牲精神なんぞではなく、純粋な怒りと憎しみと少々の破壊欲なのよ。

なので、K氏もさ、ちょっと今までの人生振り返ってみて、世の中の理不尽のせいであなたの中で最も強く印象に残った負の感情を掘り返したら、すごい社会起業のモチベにつながるかもよ?

と語ってしまったんだが、K氏はものすごく納得して帰っていった。ちょっと今夜自分の人生について考えてみる!と言い残しw

起業のモチベが夢や希望でなく、夢や希望が理不尽に破壊されていることに対する憎しみと破壊欲である、と定義するほうが、どうしても自分にはしっくりくる。とか考えているそばから、思わぬ方向から同じ考えを持つ人に出会ったり、起業を決めた途端から人生の動くペースが速くて楽しい。けど、今までのレール人生のぬるま湯のせいか、ちょっと心が付いて行くのにぜえぜえ状態なので、そこは調整剃る必要がありそうなのが、当面の課題。

頑張ります。

ブリザードも明けまして

旧正月と数十年ぶり規模の豪雪NEMOで盛り沢山な週末。

家の前がこのような状態なので↓実に48時間以上外に出られなかった。友達ともネットの上でしか会えず、仲のいい子の誕生日パーティにも参加できず。

が、ここで外に出られないよおおと鬱になるのも芸がない。ちょっと思い立って今朝、バスローブ、パジャマ、長靴姿で裏庭の階段から50センチくらい積もった雪をかき分けて、誰ひとり触れた形跡のない処女雪の上にダイブ。日差しは暖かく、空は深く青く、さらっさらの雪はそこらで売っている低反発マットレスより気持ちよくバスローブ一枚の私を包み込んだ。着衣露天雪風呂とでもいうべきこの状況、寒くはなくものすごく気持ちがいい。

放っておいたら寝てしまいそうなので、しばらく極楽を味わった後に立ち上がろうとしたのだが、これが思ったより大変。後先考えずにダイブしたのはまずかったか。もがきながら私の人型にくぼみができた雪の形を壊しつつなんとか立ち上がり、もときた道を這い登り、雪だらけで呆れ顔の猫たちに向かい入れられたのだが、気分は本当に久々に爽快であった。窓の外を見ると、私が残した人型のくぼみには、私のバスローブの格子模様がくっきり残っていて、これも爽快。

今年こそ、運動しよう。と、心に決めた旧暦新年。

でも、チキンなので、まずはヨガマットを買いに行くとこからはじめます。

授業開始。起業系の名授業を網羅する日々

アントレします宣言から約2週間。授業を選んだのはほぼ前学期の終わりなので、当然授業選びのロジックがぜんぜん違ってくる。

とりあえず、今学期取っている授業を一から教授の名台詞とともに紹介してみよう。

Social Enterprises and Innovation Andrew Wolk 教授
「これまでいくつかの社会起業をしてきたが、根源にあるものは、博愛主義で慈善家だった祖父のやり方と、ウォール街で25年辣腕を振るった父親のやり方の絶妙な融合を探そうってことだったんだ」

Global Economy and Development: China and India 黄亜生教授
「中国とインドの成長率の差は、インフラだと一般的に言われている。が、私の立場は違う。中国の成長の快進撃、真の立役者は、中華人民共和国建国から整備してきた社会資本にある。基本的教育と、女性の権利と、公衆衛生。この3つで、インドは中国に遅れを取った結果、現状があるに過ぎないのだ

How to Develop Breakthrough Products and Services Eric von Hippel 教授
「一番最初のプロトタイプは、いつもユーザー発である。企業はそれらを借りてきて改良し、大量生産しているに過ぎない。この授業ではイノベーションの民主化について扱いたい。あと、知的財産の存在も見直されるべきだと思う。あれ、ユーザーにとっては一文の得もない代物だから

Customer Analytics
「これから君たちがどんな職業についても、データの束を渡されて、分析しろ!と言われる可能性は高い。そこで真っ先に浮かぶのは回帰分析だろうが、客の動向とか選択を予測する時、回帰分析を用いるのは最も意味が無いのである。これからの1学期、人によっては地獄の苦しみかもしれないが、終わるまでには確実に顧客行動分析のエキスパートになっているのは保証する

New Enterprises
これはいっぱいあるのでいくつか。
「トーマス・エジソンは電球を発明し、各家庭の使用に耐えるモデルを創りだした。諸君がトーマス・エジソンなら、投資家にどう売りつける?
「テスラはトーマス・エジソンより頭がよく、彼よりいいものを発明したのに、誰にも顧みられず、不遇のまま没した。テスラは、発明家だけれどイノベーターではなかった。彼の失敗はこの授業を取っていなかったことだ!そう、この授業はMITからテスラを出さないための授業です。
「ベンチャーキャピタルに出資させるのを前提で起業するのを応援してるわけじゃないぞ。資金調達の画期的な方法を教えようか?『客にモノやサービスを売って金を得る』という方法だ!
「起業してからというもの、前職のIBMに戻って仕事する夢を見てうなされることがしばしば。すごく大変だけど、何者にも代えがたい喜びがある。そう、子供を育てるのに近い
「MIT発のアントレの成功率わかる?5%?10%?いや、MIT卒生が起こした会社の失敗率は20%だ。20%は大成功し、60%はまあまあやってけてるくらいかな」

ほかにもとってるけど、まだ開始していないのでここまで。