Category Archives: 米国諸事情

米名門大学へ進学したいけれど情報がない高校生と白川寧々の対談 お金編

アキラ君:寧々さん!寧々さん!大変です!

寧々:どうした?血相変えて。

アキラ君:ハーバード大学のウェブサイトで学費を調べたんですけど、年間で寮費とか食費とか入れると500万以上かかることがわかりました!僕、3人兄弟の長男で、浪人すらできないのにこんなの絶対無理です!やっぱりアメリカ進学は諦めて東大に行きます!

近況&更新&改装?

皆様、お久しぶりでございます。旧正月、あけおめです!

この前から通算で1年近くぶりの更新になっちゃいますが、実にいろんなことがありました。
もともとは、MITで得られる素敵インプットを消化するアウトプットを出すために始めたブログで、結構いろんな方に読んでいただいて嬉しかったのですが、
教育事業に目覚めてからアウトプットだらけの日々を過ごすことになり、バランス的に、アウトプットのエネルギーは全部本業に費やされ、ここは廃墟状態に・・・。
楽しみにしていてくださっていた方々、申し訳ない。

憎しみから始まる社会起業のススメ

そう、愛からでも勇気からでも希望からでもなく。

現在取っている楽しい授業のひとつに、「社会起業のススメ」というプロジェクトベースのものがあるんだが、そこで私の米教育格差是正に営利企業のサービスモデルを持ち込みたいという案をピッチしたところ、意外と教授受けがよく、「これは有望なのでぜひ頑張ってやってみてほしい」とのこと。貧しいために(といっても明日の食事に困るような貧しさではたぶんない)かなり劣悪な学校教育環境から脱出できず、親も教育に関心があるのにオプションがない状態。劣悪な公立学校では生徒のほとんどが学年より2-3年学力で遅れを取っている状態。それも、本来の知力に関わらず。その格差を是正するためにKIPPやTFAが頑張っているけれど、明確なソリューションは提示できていない状態なのだ。

親からすれば、KIPPのようなチャータースクールは倍率が5-10倍の抽選をくぐり抜けなければ入れないし、私立は総じて年間200万円ほどするので全く払える見込みが無い。住む地域を変えるという選択肢も、貧しい都市生活者にありがちな、ギリギリの雇用状態では難しい。このまま子供を公立に入れたままにしても、最悪で卒業率が10%の高校に行かざるを得なくなり、良い教育を受け大学へ行く機会は絶望的となる。そして、所得格差が固定される。親がどんなに頑張っても、妙なプライシングと硬直した需要過多なシステムのせいで、全て徒労に終わる。

この腹立たしい状態にソリューションをとまあ、現在パートナー集めたり試行錯誤したりしているところなんだが、「カスタマーの定義とビジネスの理由が明確でいいね」とふとした拍子でクラスメイトのK氏に言われた。彼は私と違ってガチの起業経験者で、韓国エリートがアフリカビジネスマンに華麗に転身、現在進行形でナイジェリアにスタートアップ会社を持つ。K氏はというと、「事業に『社会のために』みたいなレッテルをつけたいんだが、どうも上手いこといかない。どうやら僕は発想が社会起業とか向いていないのかもしれないんだな」とぼやいていた。

「そんなことはないと思うが、とりあえず超そういうことに関心がある人と組んだら自然とその回路をビジネスに組み入れられるんじゃないのかな?」

「うん、同じ事を他のVCのやつらに何度か言われたんだけど、でも僕自身がそういう考え方を身につけたいんだよね。無理かな?」

「そうねえ」ちょっと考えて、私は気づいたのだ。「ああ、それはもしかして善意とか同情とか博愛とかの立場から出発してるからちょっと自分でもうそ臭く感じてるんじゃない?」

「そう!それなんだよ」とK氏。そこらへんぎこちないって自分でも思うんだよ」

「それは出発点がソフトすぎるからよ」私は今腑に落ちたばかりのことを口に出した。「私は例えば、教育事業を通して選択肢がない状態の親子をなんとかしたい。けれど、その出発点は決して綺麗な感情じゃない。私は、心の底からどす黒いレベルに理不尽な教員とか劣悪な教育が憎い。それこそ子供の頃からそういうのに煮え湯を飲まされたことが何度かあり、親が進学塾に入れてくれたから自由と素晴らしい中高時代が手に入ったけど、その選択肢がうちの両親になかったら、と思うと、公立の抑圧的なシステムに対する怒りや憎しみが今でもいくらでも湧いてくる。アメリカの親御さんの、この「選択肢がない」という絶望がありありと想像できる。だから、私を今駆り立てているのは自己犠牲精神なんぞではなく、純粋な怒りと憎しみと少々の破壊欲なのよ。

なので、K氏もさ、ちょっと今までの人生振り返ってみて、世の中の理不尽のせいであなたの中で最も強く印象に残った負の感情を掘り返したら、すごい社会起業のモチベにつながるかもよ?

と語ってしまったんだが、K氏はものすごく納得して帰っていった。ちょっと今夜自分の人生について考えてみる!と言い残しw

起業のモチベが夢や希望でなく、夢や希望が理不尽に破壊されていることに対する憎しみと破壊欲である、と定義するほうが、どうしても自分にはしっくりくる。とか考えているそばから、思わぬ方向から同じ考えを持つ人に出会ったり、起業を決めた途端から人生の動くペースが速くて楽しい。けど、今までのレール人生のぬるま湯のせいか、ちょっと心が付いて行くのにぜえぜえ状態なので、そこは調整剃る必要がありそうなのが、当面の課題。

頑張ります。

授業開始。起業系の名授業を網羅する日々

アントレします宣言から約2週間。授業を選んだのはほぼ前学期の終わりなので、当然授業選びのロジックがぜんぜん違ってくる。

とりあえず、今学期取っている授業を一から教授の名台詞とともに紹介してみよう。

Social Enterprises and Innovation Andrew Wolk 教授
「これまでいくつかの社会起業をしてきたが、根源にあるものは、博愛主義で慈善家だった祖父のやり方と、ウォール街で25年辣腕を振るった父親のやり方の絶妙な融合を探そうってことだったんだ」

Global Economy and Development: China and India 黄亜生教授
「中国とインドの成長率の差は、インフラだと一般的に言われている。が、私の立場は違う。中国の成長の快進撃、真の立役者は、中華人民共和国建国から整備してきた社会資本にある。基本的教育と、女性の権利と、公衆衛生。この3つで、インドは中国に遅れを取った結果、現状があるに過ぎないのだ

How to Develop Breakthrough Products and Services Eric von Hippel 教授
「一番最初のプロトタイプは、いつもユーザー発である。企業はそれらを借りてきて改良し、大量生産しているに過ぎない。この授業ではイノベーションの民主化について扱いたい。あと、知的財産の存在も見直されるべきだと思う。あれ、ユーザーにとっては一文の得もない代物だから

Customer Analytics
「これから君たちがどんな職業についても、データの束を渡されて、分析しろ!と言われる可能性は高い。そこで真っ先に浮かぶのは回帰分析だろうが、客の動向とか選択を予測する時、回帰分析を用いるのは最も意味が無いのである。これからの1学期、人によっては地獄の苦しみかもしれないが、終わるまでには確実に顧客行動分析のエキスパートになっているのは保証する

New Enterprises
これはいっぱいあるのでいくつか。
「トーマス・エジソンは電球を発明し、各家庭の使用に耐えるモデルを創りだした。諸君がトーマス・エジソンなら、投資家にどう売りつける?
「テスラはトーマス・エジソンより頭がよく、彼よりいいものを発明したのに、誰にも顧みられず、不遇のまま没した。テスラは、発明家だけれどイノベーターではなかった。彼の失敗はこの授業を取っていなかったことだ!そう、この授業はMITからテスラを出さないための授業です。
「ベンチャーキャピタルに出資させるのを前提で起業するのを応援してるわけじゃないぞ。資金調達の画期的な方法を教えようか?『客にモノやサービスを売って金を得る』という方法だ!
「起業してからというもの、前職のIBMに戻って仕事する夢を見てうなされることがしばしば。すごく大変だけど、何者にも代えがたい喜びがある。そう、子供を育てるのに近い
「MIT発のアントレの成功率わかる?5%?10%?いや、MIT卒生が起こした会社の失敗率は20%だ。20%は大成功し、60%はまあまあやってけてるくらいかな」

ほかにもとってるけど、まだ開始していないのでここまで。

近況報告。そろそろ更新再開します。

1月中、ほぼまるごとさぼってしまった・・・。あっても結婚ネタか教育ネタばっかりだったしね。けど、これからは本気でMBA少しと教育ネタのオンパレードになる予定です。

さて、とりあえずいくつか報告します。

まず、コンサル就活から足を洗いました。
1月中、ほぼ予定調和的にコンサルティング就職の準備をしたり面接を受けてきたんだが、その間どうしてもやる気が出ない上、なぜか眠れず、なんなんだろと悩みながら適当にやり過ごしていたら、あっという間に通りすぎてしまった。もともと米インターンシップは狭き門なのは承知していたが、予想を上回る激戦の末「なんでここにいるんだっけ?」とぼおっとしてたら当然のごとく沈没したのが私も含め友達のマジョリティだったりするから恐ろしい。MBAに来たらとりあえずコンサル、みたいなレールが敷かれているに等しい空気があるにもかかわらず、実際はあの仕事に向くのはごく少数の人間でそれは実はやってみないとわからないので彼らはあんなに大々的なキャンペーンを敷いているのかも。そして、私みたく入学時には人生の目標が全く定まっていなかった人間や、興味分野は決まっているけれど経験不足をコンプレックスにしているMBA生をターゲットに、「とりあえずMBA来たからにはコンサルっしょ」とでも言うように誘い込み、各社どうしても欲しいタイプを 5 人 く ら い採用していく。

私はというと、このブログの11月くらいからのネタの偏りからも推察できるように興味分野のシフトが雪崩のように起こり、「偏食王の会社楽しそうだし、とりあえずコンサルやってみたいな。マイル貯まるしルームサービス頼み放題だし楽しそうだな(8月)」から「米に住み続けることを考えたら将来的には独立せんといかんかも。(10月)」から「うお、あれ、なんか教育熱がすごいな。教育事業に特化したコンサルとかいいかも。でもプロジェクト少ないんだよな(11月〉」から、「教育熱いぜ!・・・って、なんでコンサルやんなきゃいけないんだっけ?でも面接あるし一応やっとくか(12月)」と続いて、今ここで、

2月にもなって新年の目標ではないのだけれど、教育事業に頭から突っ込むことにしました。

手始めに、塾スタートアップをやろうと企画、仲間集めなどをしつつTFA出身の准義姉(偏食王の兄貴の婚約者。ひとりっこの私が26歳になって手に入れたお姉さま。義姉予定と毎回書くのは面倒なので偏食兄は准義兄、偏食兄嫁は准義姉と呼ぶことにする)の人脈で、前から注目してたNYCのKIPPを含むチャーター・スクールや改革者が頑張ってる学校を徹底取材。この前はひとりシリコンバレートレックをしてきたが、今度はひとりニューヨーク教育トレックである。

アメリカの超カリスマ教師、Rafe Esquith

KIPP創設者の大事なインスピレーションになりつつ、最終的には袂を分かった、アメリカの超カリスマ教師。

ロサンゼルスの一角の銃器、麻薬、暴力がはびこる超劣悪学区で英語も満足に喋れん子供を相手に奮闘し、彼の教え子達は全国試験では上位1%の成績を収め、最高学府へ進学し、シェイクスピアを演じる事ができるという。

そんな彼のスピーチなんだが、短い言葉に内容と思想がぎっしり、ユーモアたっぷりで非常に楽しい。そして、力強い。

K-POPを見たアメリカの子供の反応~アメリカ人に色々見せるのは基本面白い

主にリアクションの言語化がみんな上手いのは子供の頃からの積み重ねか。

私は個人的にはK-POPもAKBも音楽的にはどうでもいいが年端もいかぬ容姿端麗、功名心ちょびっとな子供をリクルートして非人道的な契約で縛り、学校にも満足に行かせず、卒業後Exit strategyも個体が多い分難しい道を無責任に歩かせ、彼らが必死に働く間利益を享受するのは主に仕掛け人、という構図に吐き気がする。ただでさえ抑圧多き日本社会(韓国もか?ドラマ観る限り)のストレスを癒す存在としては皮肉に過ぎないか?私は仮にまだ見ぬ自分の子供が年頃になってデスメタルを追っかけようが、髪をモヒカンにしようが、ベッドの下にいろいろ隠そうが、全体的に支障ないなら心配しないが、合法的human traffickingみたいなアイドルを無抵抗に受け入れるようなら説教するだろな。それでも好きなモノは仕方ない!と言われたらそれまでだが。

今日も忙しいのでネタ更新なんだが、K-ポップを見たアメリカ人の子供の反応。日本語字幕の出来は、まあなんだろ、ちょっと違和感あるけれどこれはちょっと解説が必要かも。

K-POPを見たアメリカの子供たちの反応

米国諸事情:恐怖の結婚準備~アメリカで結婚するのはめちゃくちゃ面倒くさい件

そろそろ結婚準備の準備の準備のブレストくらいをおっかなびっくりスタートさせようとしてるんだけど、約半年後に式を挙げる予定の偏食王兄貴カップルの忙殺されぶりをみると恐ろしくて仕方ない。

なにしろ、日本のようにホテルオー○ラのテンプレお任せプランとかは一般的でなく、式場、宗教家(牧師神父またはラビ)、花屋、料理屋、ドレス、音楽のバンド、全部バラバラに自分でオーダーしなければならず、彼らサービスプロバイダーを管理するのもカップル自身の役目なので大変さがなんとなくお分かりだろうか。もちろん、ドレスはサービスプロバイダーではないが、レンタルではなく数千ドルの相場でオーダーメイドするのが一般的である。あと、「ご祝儀」という習慣はなく、かわりにレジストリといって新居のための「ほしい物リスト」をネットで公開し、結婚式参加者(欠席者でも)が自らの予算と照らしあわせてリストの中からプレゼントを選ぶというものすごい合理的なギフティング習慣がある。たいていはワイングラスとか皿とかシーツとかル・クルーゼの鍋とかそういうやつである。ちなみにプレゼントは式途中で開けるセレモニーがあったりなかったりするらしい。

新年を迎えまして

皆様あけましておめでとうございます。
本当はDiane Ravitchの続きとかを書かないといけない気がしつつも、地味に旧年の振り返りとか、ホリデー近辺の備忘録をば。

MITの1学期目が怒涛過ぎて、MIT入学前もいろいろあったはずの2012年前半部が飛んでしまっている事実に今更驚愕。

けど、一生懸命(でもなく)思い出してみると、まず2012年年明けの余裕の無さが半端無かったことが印象深い。相当気合入れていたHBSの面接に失敗し偏食王と鬱屈しながら年末を過ごし、背水の陣の気分出迎えたMITの面接がそもそも1月5日だった。色々出し切った手応えもそこそこに仕事に忙殺される日々に戻り、引継ぎとか辞めるタイミングとか考えながら辞めるって難しいなと今更気づいたりしていたな。

無事にMITに合格が決まり無事円満に退社し偏食王と北京万里の長城で婚約したのも、ものすごく昔のことのような気がするねと今日も一緒に気づいてしまった。

MIT入学後は毎日狂い死にそうな新情報と課題量とクラスメイトからの刺激に酔っぱらい気味になりながらここまで駆け抜けてきてしまった気がする。このブログも大雑把なMBAブログからだんだん教育ビジネスブログへと変遷していった軌跡が生々しいが、それはそのまま私の興味と進路の方向性の変遷でもあって、振り返ると変化の激しさに我ながら呆れる。

Questions for Diane Ravitch

I have not had chance to read Death and Life of American Public Education: How Testing and Choice Are Undermining Education yet. However, I think I get the message by watching the following video, in which Dr. Diane Ravitch gives a talk to Duke University’s education school. If any of the readers think my assumptions about her ideas are misguided given my limited source of information, please—I beg you to point out, as I am super new to issues with American education and also desperate to learn more.