経済のケースがものすごくうざくて気がついたら更新できてなかった件。
アルミの値段が下がりまくり、政治不安もある中で大きなアルミ精錬工場を建てるか否か、経済理論を使ってReasoningして出すチームのケースがあったんだが、93年とかのケースなので、アルミ精錬業者(原料から精錬するやつ)がその後次々と潰れてったことを鑑みると、答えが否なのははじめからわかっている。私がこんなにうざい!と連発しているのは、そもそもミクロ経済の理論だけで、数字をモデルに入れただけでそんな判断(資本投資だけで当時の$16億ドル!)していいわけないだろという常識を考えてのことである。Feasibility Studyでもそんなことしないだろ普通・・・。
DMDなんかは一応、「モデリングした結果、数字では一応ここらへんだけど、期待コストが$50と$100のオプションがあって、$50は半分だけど顧客の信頼を大幅に失うリスクがあり、$100の場合は確実、なんて場合は後者を選ぶってのもありなのよねー」と、モデルの外の判断を持ち込むことが授業開始当時から指摘されているが、これに至っては、「ほらデータあげるから、Demand曲線とSupply曲線書いてみてー。それで答え出してみてー」で終わりだし・・・。
チーム内でも、「みんなが同じ理解度でミーティングに臨んでいるという前提で、意見交換しながら問題をすすめる」スタイルが非効率すぎるということをとりあえず指摘した。授業前に必ず読むべきケースでさえ、全く読めずに出席するのなんか、MBA生にとってはザラであるのにチームミーティングでそれがないと誰が言い切れよう。集まった人々の理解度バラバラでファクト・チェックにも時間を食ってしまった。あと、全体的に大人が多いチームだが、一部がヒートアップすると発言Air time重視、内容軽視なのが約1.5名いて、残りは優しすぎてそれを指摘できない。
課題は無事になんとかなったが、ミーティング終了後、「これはよくないんでないか」と何人かと残って建設的な?愚痴大会。
私はもう、ヒートアップしすぎた無駄議論がまだ頭をがんがん言わせている状態にFed up(うんざり)していたため、姉御に
「もうケースだからってとりあえず全員集まるのやめようぜ。7人が同時に同じ課題に向かってピーチクパーチクあーでもないこーでもない言ってる上に人の話聞かない前提なのは絶対に良策ではない」
と言ってしまった。姉御は基本姿勢が「全員集まってる状態のほうが全員分の学びを保証できるからFace time重視」なんだが、彼女も彼女なりにうんざりしてたとこもあるのでちゃんと会議しようってことに。また会議かよ・・・(><)
ルーク氏も結構空気読むタイプで(ほんとは面白いから読んで欲しくないんだが)、ケースの争点になってるとこにはなるべく近づかず(もう何人かヒートアップしてるし)、「Writeupやるよじゃあ」みたいな居心地のいいポジションを早々に確保して、言いたいことがあっても「これはみんながやりたいことの延長上にある意見ではないので」とあまり積極的に言わない。
プラクティカルな解決法としては、各課題にローテーション式でリーダーを作り、リーダーはそのプロジェクトだけはよく読み込み、他はその指揮に従って協力的に仕事を分けるのがいいのではということになった。メンタル的にもリーダーポジションがいる方が発言と議論をコントロールしやすい気がするのでとりあえず賛成。おっさんくさい言い方だけど、重要決定事項会議の根回しって便利だな!ということに気づく。学業でも会社でも政治的な場面に行き合わせることが少なかったので今更なんだけど。
今のところ、私が最も引っかかっているのは、学び重視の学びってなんぞや、ってこと。私やメンハズちゃんは、高校大学までアジアだったので、反復練習と試験対策がどうしても本能的に焦点にくる。用意されている課題上の「正しい答え」に行き着こうとする力が、頭のどこかで働いている。けれど、私はそれが学びだとはどうしても思えない。
帰り道、ルーク氏に言ってみた。「私やメンハズは大学を出てからまだ就業歴が3年未満。業界も結構狭めで、見てる世界は差はあるけどビジネス上はたいしたことがない。このままMBAが用意する授業や課題を順調にこなして卒業したら、one of those worthless MBAになる可能性がものすごくある。だから、特に根拠がないのに自信満々でなんか違うこと言ってると思ったらお願いだから黙らせて」
ルーク氏は可笑しそうに笑い、たしかにそう思う瞬間もあるが、基本的に課題には違和感を覚えっぱなしなんだそうだ。長期的に考えてビジネスにとって一番いい方法は、DMDや経済で割り出される短期的に一番ハイコストな選択であることが多い。例えば、DMDの航空会社の話でも、ルーク氏に選択権があるのなら、空港に足止めされた客全員をビジネスかファーストにアップグレードした上で他社の飛行機だろうが自社だろうが関係なく目的地に飛ばす、らしい。ロジックツリーの一番最初のブランチはコスト最小化ではなく顧客満足度最大化である。だって、部品が壊れたり天候が悪かったりするのは航空会社のせいじゃないけど、顧客が時間通りに飛べなかったり必要以上に待つはめになるのは割りと航空会社のせいだからだ。
「ではどうしてそれを言わないのさ?」
「だって人々は、自分がマネジャーだったらどうするか、ってのではなく課題の正解を探してるんだもん」
でもMBA来て本当に得るべき学びがあるとしたら、それは前者だよね。私はWorthlessなMBAになりたくないのでちゃんとほんとの世界で起こってることを教えてよと念を押しておいた。
さてこれからチームミーティングだよ・・・!
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