愛すべきSloanな日々

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愛すべきSloanな日々all over the place


80年代をテーマにしたパーティには、こういう格好で参加するものなのだ。

「タイトル未定」で一度無理やり更新した記事です。下の方に追記あり。

今日はなかなか楽しい日だったので、久々に真面目に書こう。Readingだって?そんなんどうにでもなってしまえ(昨日、かっちり系科目の教科書は読まなくてもなんとかなることが判明したことを踏まえての発言。せっかく買ったのでケースはちゃんと読みます)。

まず、朝からDMD。皆で色々頑張った成果物を提出して一件落着。あとで聞いた話だが、あの航空会社のケースはチーム・ビルディングの一貫として認識されており、だからこそ、わざと曖昧で難しく考えればいくらでも難しくなる仕様になっているらしい。薄々感づいていたと思われるうちのチームはいろいろ合わせて一緒に5時間くらい過ごしてしまったが、15時間費やしたところもあるらしいのでそこはご愛嬌。

普通に二項分布とかを楽しく学習しながら気づいたんだが、Rudin教授は経済・会計・DMDとかっちりした科目三本の中で、一番教え方が上手い。この教授は小柄な若い女性で、自称「あなたがたがここで出会う中で一番怖くない教授」。最初の授業から「この科目が簡単な人もいれば難しい人もいるのは重々承知しているつもりなので、アホ質問大歓迎です!ていうか、私頭悪いから学生の頃はよくアホ質問したものだわあ」なんていう自虐系ジョークが持ちネタ。20分で教えられる内容(板書、説明、例題解くまでという意味で)を、色々工夫して皆が直感的に理解できるように40分くらい掛ける気合を持つ。

これは愚痴だが、米国有名大学の教授は、大阪の小学生と不思議な共通点がある。「おもろないねん!」って言われたくないのだ。しかも、米大学生はたいていの一方的な授業に対して「おもろない」と言う。余程全体的に飽きさせないほど素晴らしい内容で構成されていて聞く人の内面を揺さぶるスピーチ(それこそジョブスみたいな)か、スラングなどにまみれているコメディーショーみたいなやつでないと、教授が全部喋る授業はつまらないのだ。

なので、それを解消するために、何か重要なコンセプトを教える際、ゲームしたり立ったり座ったり身近な例題で皆を飽きさせない用努力している人々が何人かいるんだが、そのテクニックはは結構落とし穴でもある。例題やゲーム中に張った伏線を回収して上手く教えようとしているコンセプトに結び付けないと、結構空回りしてしまうのだ。つまり、ゲームとか例題におぼれて、オチの皆が理解すべき所を混乱させてしまうパターンである。

「あの先生達、ぜんぜん伏線回収できてないんだけど、教え方としてどうなのよそれ」とチームミィーティングで愚痴ったら、
「まあそう言わずに。ポジティブ姿勢で行こうぜ。まだ授業一回目じゃないか」とルーク氏にたしなめられた。

まあそれもそうだと今朝また、経済と会計の二本立てを受けてきたんだが、なるほど彼の言うことは一理ある。

経済の教授は伏線回収が下手ながらも(今のところ成功率が約7割)、至極楽しい例を七面倒な経済コンセプトに当てはめてくれている。

会計に至っては、バランスシートの概念だけを説明するために、ダブルエントリーさえ教えず、ひたすら直感的なモデルを採用して会計の概念がない同級生には大モテだ。何人か、私がCPAだと知ってるアントレガイたちが「会計とかまじやってらんねー」みたいな携帯メールをくれたけど、そのうちプライベートセッションなんかをやる日が来るんだろうか。

更に夜はアントレ友(ルーク氏みたいに既に成功してるせいか飄々してる人ではなく、これからだ!と野望に満ちているタイプ)に誘われてアントレ推奨のイベントに参加。タダ飯につられて行ったようなものだが、なんとJo Ito登場。元上司さんが彼のことを相当あれこれ言っていたので興奮してみる。

プレゼン自体はものすごく新鮮だった。なにせ、明らかにターゲットオーディエンスが私ではないのだ。コードを書いて、いくらか出来てても駄目そうなら全部捨ててイチからやり直せといつも投資先に言っている話とか、VCはEvilなのもサイコーなのもいるとか。なんかもう、視点がとりあえず違うのである。具体的な内容ではなく、Perspectiveの違いが新鮮。こう生きている人間もいるのだなと。コードとアントレとビジネスとVCとラーメンとIphoneと沢山の開発仲間との未来とに囲まれて生きている人々が確実にMITにはいて、おのれはいまいち参加できるレベルではないけれど視野が広がったというよりこじ開けられた気分。

その次の夜(つまり今夜)はC-functionの80年代パーティで、皆80年代のアホなコスプレをして(写真参照)、とりあえず飲んで踊るやつである。米では、80年代をモチーフにしたパーティが割りと一般的で、現在の高校生、つまり80年代には生まれても居なかった面々ですら結構楽しく興じるらしい。

ケンブリッジにある安い服屋で$12のそれっぽい花柄のワンピース(質の悪いポリエステルかつ、赤と青の花が咲き乱れている柄)を購入し、ちょっと大きかったのでいろいろ縫って着て行ったら評判こそよかったが、皆がカラータイツ、ヘッドバンド、レッグウォーマー及びレオタード姿なのでちょこっと浮いていた気がする。私のは、80年代のプロムドレスなんだそうだ。

あと、やはりこういう時の格好にスタイルが出るもので、Policy Forum主催の、なんかそれこそ『トーマの心臓』にでも出てきそうな見た目と口調のおにーさん(2年生)がジッパーの沢山ついている革ジャンで登場。私に、「MCCよりもっと楽しいことやろうぜ。起業とか起業とか」なんて言ってくる。「自分だってサマーはMKンゼーだったくせに」とやり返したら、「それもそうだが、どうせなら一緒にどうよ」だと。ここでは挨拶代わりみたいなものだ。

MBAの最初の一ヶ月のせいかもしれないし、Sloanという学校のカルチャーなのかもしれないが、この空間には人と人のあいだの未分化の好意みたいなものが常に漂っている。別に酔ってなくても親しいクラスメイト同士の挨拶のデフォルトは握手ではなくハグかヨーロピアン風のキス(両ほっぺにちゅってやるやつ。ブラジリアンとヨーロピアンに多い。男女関わらず)だし。でも、それが人々を素直にし、頭をこじ開けられる感覚も楽しませているのだと思う。未分化だろうがそうでなかろうが、好印象を持つ人間の話でないと人は聞かないからだ。よって、在校生のあいだで何か化学反応(偉大なイノベーションとか)を起こしたかったら、MBAのAdminはそれこそみんな仲良く!なんて空気を醸成する必要があるんでないか。

酔ってるし、取り留めがなくなったのでそろそろ締めくくろう…。

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