明日、ボストン入りする予定。今のうちに備忘録を書いてしまおうという計画である。
この前の続き。中国から日本へ移動したあとも、ちっとも落ち着いてはいられずというお話です。前回はこちら。
別に実家あたりの東京横浜エリアでのんびりしててもよかったんだが、3年ぶりの米国ビザ面接を控えている身としてはそうもいかない。これまで2009年に就業ビザと2005年に留学ビザを経験しているが、こればかりはちっとも慣れないのは面接に辿り着くまでの書類が相当に煩雑なせいだろうか。4月にI-20(入学許可書)を受け取って5月ごろに面接を予約しようとしたにも関わらず、なぜか東京にある大使館は空きがまったくなく、「これでは渡米できないではないか」と脳みそが一瞬フリーズしたあと「そういえば大阪がある」と気付いてあわてて予約。そしてどうせ大阪に行くわけだから、やっぱりここは、
そうだ、京都にも行こう。
となるのが必然であり、ホテル以外のプランもないまま偏食王を新幹線に放り込んで出発。
久々の新幹線はやっぱり快適で、降りた後に食したぎとぎとの京都ラーメンも京野菜(特にトマト)も相変わらず美味で、念願だった金閣寺は写真でみた通り嘘みたいにぴかぴかで、はノープランな割にはなかなか満足な旅だったんだが、京都の2大ハイライトはやっぱし、京都駅にあった中村藤吉本店の抹茶アイスクリーム(とジュレと羊羹)と龍安寺の禅ガーデンである。
抹茶系の味がついたお菓子を食す事自体が相当久々なのを差し引いても、ここの抹茶アイスは秀逸。私は自他共に認める茶葉狂いで、自分で飲む用の中国茶はリテールすっ飛ばして卸問屋から直接キロ単位で買い付けたり、喫茶店でお茶がおいしいと、茶葉売って下さいとまず頼んでみたり、お菓子を頼むときはまずお茶味を探したりするレベルなので、抹茶アイスを評価するときはクリーミィさや甘さではなく「如何にお茶の味が濃いか」である、なのだが、そういう意味では間違いなく今までで一番であった。
偏食王はアイスクリームは食せないのだが、替わりに生まれて初めて食した羊羹(もちろん抹茶味)を「ケーキみたい」と喜び、お抹茶のカフェイン量を知ると「カフェイン高くて美味で健康にいいわけだからカリフォルニアあたりで流行るのに」と感動していた。そうしてしばらくMBAクラスタらしくUSで抹茶を流行らすプランとか考えていたんだが本当に実現したら北米はもっと快適な場所になるのは間違いない。
龍安寺に至っては、金閣寺のあとになんとなく行ったんだが(繰り返すがノープランなので)、有名な石庭にて、縁側スペースを手に入れたが最後、偏食王が一歩も動かなくなってしまった。なんでも、こんなに平和的、というか心洗われる気分になったことはない!なんて言って約一時間半もぼおっと居座ることに。普段は非常にせっかちな私もまあいいかと一緒にぼおっとしてしまったので、それだけあの禅ガーデンはきっと魅力的なのだろう。
翌朝、ホテルの和室布団で、久々の畳の硬さに背中ばきばき言わせながら目覚めたら、偏食王が余ってた布団で簀巻きになっていた。そうでもしないと眠れなかったらしい。普段ならこの軟弱者めと笑ってやれるものを、自分も背中ばきばきなので何も言えないのが妙に悔しい。アメリカで初めてマットレスを買ったときは(ちなみにとても高い)、実際寝っ転がってみて一番硬いのを選んだつもりなんだが、それでも畳+敷き布団一枚の硬さには遠く及ばないのだ。嗚呼。
そのまま新幹線で大阪へ向かう。面接は次の日なので、OVALで知り合ったものすごくグローバルな経歴を持つアントレな旧友で、大阪ネイティブでもあるK氏が親切にも新世界や心斎橋筋を案内してくれた。K氏がDEEP OSAKAと呼ぶあたりは噂通りいろいろ楽しいものや怖いもの(ものすっごく狂信的なフレーズが踊ってるチャーチとか)や不思議すぎるもの(整然と舗装された道のど真ん中に生きたモルモットが一匹放置されてたり。飼い主らしき人はまわりにいない。捨てられたのか?散歩なのか?放牧なのか?考えてもどうしてもわからないので、野良モルモット事件と呼んでいる)に出会えた。
その翌日はビザ面接本番。ここに至るまで、私はビザ面接が30秒で終わりその直後に発行OKを言い渡される簡単なものであることをすっかり忘れ、いろいろ緊張しながら向かっていたんだが、あっさり片付いて肩の力が抜け、最後に前職の大阪オフィスでお世話になった元上司さんたちとも再会でき、関西の旅は無事に終わった。その2日後にまた北海道へ向かうことになるんだが。
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