偏食王のいる空間

このエントリーをはてなブックマークに追加
はてなブックマーク - 偏食王のいる空間
Share on Facebook
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark
Bookmark this on Livedoor Clip
Share on FriendFeed
偏食王のいる空間all over the place


約二ヶ月ぶりに、偏食王がPal Altoから訪ねてきた。

三年近くものすごく近くにいたのに、たったの二ヶ月がどんだけ寂しかったのか、先方の顔を見て気づいたり、過度に眩い婚約の象徴を手渡され、文字通り目が眩みそうになったり、いろいろ感情的な週末となる。永遠に輝くあれについては、当初は 「なんか結婚税みたいだよね 」とか、「あれだけのキャッシュでいったいIPad何枚買えるんだ」とか、結構格好つけてぼやいていたのに、実際手にしてみると理屈ではない何かを感じる。

私はなぜか、「これで本当に大人になったのだ」と奇妙な喜びと達成感をおぼえた。でもまああ、ご存知の通り、世間的にはとっくに大人である。MBAの中では、特にMITでは年若いほうではあるが、30代のクラスメイトとも対等に接しているし。でも、そういうことではなく。

たとえば革命前の中国では、既婚女性は髪を高く結い上げ、日本でも私が愛してやまぬ藤村の詞に「まだ上げ初めし前髪の」とあるように、ひと昔前は、大人になるイニシエーションは社会的にアピールする何らかのようビジュアルが伴った。でも当然この世の中では、というか私個人の今まではそういう感覚に乏しく今までやってきた気がする。日本人ホワイトカラーのように大卒後からスーツを毎日着るようになるでもなし、むしろ前職では大学時代の格好そのままでビジネスカジュアルとされたし、プライベートではそれこそ好き勝手だ。

ユダヤ人のラビは結婚して一人前とされたように、社会的に契約したパートナーが存在する人間は、どう考えても子供ではあり得ないわけで、そこを隔てている唯一の物的シンボルが永遠に輝くあれなわけで、私がおぼえた感覚を無理やり説明しようとするとそこらにたどり着くのかもしれない。

要は、パートナーがいる感覚も、離れて有り難みがわかる感覚も、やっぱしいいなと。

夜はアントレ一筋のクラスメイトとその彼女さんで、アントレ教育で有名なバブソンMBAに通うEriさんと一緒に最近ボストンの日本人界隈を騒がせているラーメン屋「夢を語れ」に挑戦してきた。二郎系らーめんという肉も野菜も山盛り、スープは背脂だらけ、の濃すぎるスタイルは実は初めてで、偏食王にも写真を見せたりして脅していたんだが、なぜかノリノリで参加。結果、7時近くに行ったので約二時間ならんだが、ボストンにしては珍しい暖かい夜の中、クラスメイトもErIさんも話していてめちゃめちゃ面白く、らーめんが目の前にくるまでにはものすごく空腹からアグレッシブになっていて私には珍しく完食してしまった。結果オーライ。

偏食王も、Garlic pork fat pasta, yum!! :P とどこか的確な表現をしつつ美味だと結構気に入っていたのだが、いくらなんでも二時間待つのはありえなくないかと疑問を呈する。日本ではらーめんてのは宗教的なもんだから、ととりあえず説明しておいた。

土曜の朝七時に到着して日曜午後にはトンボ帰りしてしまったが、実に充実した週末だったよちょっと寂しいけど。

さかのぼって、金曜日もHBSのクロスドレッシング(女装男装)パーティー、プリシラボールというやつにパイロットの格好で出席したり、その道すがらタクシーの窓からボストンキャリアフォーラムでリクルート中の旧職場ボスを見かけて一杯飲んだり非日常性たっぷりだったんだが。

Leave a Reply

*
= 3 + 3