サンフランシスコに来ているはずが、なんかスタンフォードの寮でうろうろするのもなんなので、車で1.5時間のワイン国ナパで2泊3日旅行することに。
ナパがワイン有名なのは、あのドタバタ不謹慎映画『Hangover』で主人公のひとりが独占的な彼女にラスベガスに行くと言えず「ナパでワイン・ティスティングしてくる」と嘘ついていた経緯で知ったくらいのテキトーな私なんだが、道中からしてカリフォルニア郊外の荒野なりの美しい景色とか紅葉とかぶどう畑が車窓から見えて非常に愉快。
早速ホテルから歩いていける距離のwine tastingができる店を3つくらい訪問し、偏食王と二人で5種類x3くらいひたすら赤を賞味しまくり、Zinfandelがやたら美味なので今度一本くらいおみやげに持って帰ろうかという話に。
もともと私は赤だろうが白だろうがワインリテラシーが皆無に近く(PinoとかMerlotとか、ぶどうの種類の名前がわかる程度)、Trader Joe’sの最安ワインの一本$2.99のCabernetをこよなく愛し(値段の割にはDecentなワインと定評があるものの)、一杯やるのでもビーフシチュー煮るのでもサングリアでフルーツ放り込むのでも濫用している有様なので、そんな私がワインについて語っておのれをEmbarrassingな立場に追いやりたくないため、ただ美味しかったよというだけに留めておくw
あと、周辺は食べ物も美味しいので(ミシュラン1つ星レストランがあったり)落ち着いた小旅行先としては最適ではなかろうか。
話が変わって教育ネタ。アメリカで最も成功しているチャータースクール、KIPPの誕生を記した本であるWork hard, be niceをオーディオで聞いているんだが、これがまた面白い。何度か動画を貼ったことがあるけれど実は時間がなくて本を読み進める時間(というか聴き進める時間)が今までなかったのだ。
先日はSloan卒業生の教育起業家にも出会ったし、教育熱が結構高めなので休みを利用して進めることに。ちなみに教育起業家の人はGradableという、試験の採点をデジタルにやってくれるだけでなく生徒個人の学習進度や苦手分野の統計などを自動的に取ってくれるアプリを開発して公立学校に売ろうとしている。代ゼミや日能研が当たり前の我々には「今更やがな!」と思わないでもないが、米国の公立学校の現場ではそんな設備も設備を可能にしようっていう文化もプレッシャーもないため、画期的な商品として注目されているのだ。
話戻って、Kippでした。Work hard, be niceはこちら。ビル・ゲイツが絶賛している、アメリカの教育格差解消に最も貢献しているというチャータースクールができるまでをとてもドラマチックに記した本。そもそもこのビル・ゲイツのTedでこのTFA卒の二人の優秀な25歳から派生したプログラムの存在を知ったんだが、本自体が「問題→懊悩→糸口→試行錯誤→解決」の短いループの連続で非常に読みやすく、教育に特に興味がなくても「頭が良くてやる気がある若者の問題解決戦記」みたいなノリで楽しめるもんではないかと思う。
Work Hard, Be Nice: How Two Inspired Teachers Created the Most Promising Schools in America
何がそんなに楽しいのか?例えば、KIPPとはKnowledge is Power Programの略。知識とは力なり。けど、格言で終わらせないところがすごい。KIPP内では、教師と子供がみんなで以下のスローガンを朗々と諳んじる。
Knowledge is Power (知識とは力なり)
Power is Money, and (力とは金なり、そして)
I WANT IT! Yay! (我、金を欲す!快哉!)
なんか翻訳のテンションが微妙なのは置いておいて、低所得者層の10歳児に勉強することの大切さを説明するのにこれ以上効率がいい上に現実を直視しまくったスローガン、他にあるだろうか。もちろん画面の向こうで眉をしかめている読者の顔が思い浮かぶが、創設者もアメリカのお役所の人たちが眉をしかめるのを見越して彼ら用の説明では「金」のかわりに「Freedom」を使ったりしたらしい。けれど、対子供用の意味がぼやけるから気に入らなかったとか。
というわけで、いろいろ楽しいのでお勧めです。
Leave a Reply